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世代を超えた宿命の戦い!新旧ファンを飲み込む続編の傑作『クリード 炎の宿敵』

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『クリード 炎の宿敵』© 2018 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

シルベスター・スタローンを一夜にしてスーパースターに押し上げたボクシング映画の傑作『ロッキー』(1976)。

そのシリーズの中でも強烈な印象を残したのが『ロッキー4/炎の友情』(1985)。本作は『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)の続編であり、『ロッキー4/炎の友情』の続編でもある映画です。

この記事には、映画『ロッキー4/炎の友情』の核心に触れる内容が含まれています。映画鑑賞後にお読みください。

『クリード チャンプを継ぐ男』

『クリード チャンプを継ぐ男』© 2018 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. © 2016 MGM and

本筋のシリーズが6本作られたのちに、シリーズを彩ったロッキーのライバルにして、盟友の元世界ヘビー級チャンピオン、アポロ・クリード(カール・ウェザース)の私生児を主人公に据え、彼のコーチ役としてスタローンがロッキーを演じたスピンオフ的続編『クリード チャンプを継ぐ男』。

この映画は興行面でも批評面でも高い評価を浴びて、ライアン・クーグラー監督と主演のマイケル・B・ジョーダンは新たなブラックムービーの担い手となり記録的ヒット作『ブラックパンサー』(2018)に関わりました。一方でスタローンも演技面で高い評価を浴び、アカデミー賞助演男優賞 にノミネート、ゴールグローブ賞では受賞を果たしました。

『ロッキー4/炎の友情』

『ロッキー4/炎の友情』© 1985 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC. All Rights Reserved

シリーズも4作目を数えたところで、相手役ではなく文字通りの敵役を配したのが『ロッキー4/炎の友情』。

米ソ冷戦を背景に生み出されたドルフ・ラングレン演じるイワン・ドラコというキャラクターは、ソビエト科学によって生み出された戦闘マシーン。彼はアメリカの英雄ロッキーに挑戦状をたたきつけますが、ロッキーはこれを拒否、代わりにドラコと対戦したのがロッキーの盟友アポロでした。しかし、アポロはリング上で圧倒されて命を落とします。

最終的にリングに上がったロッキーが勝利することで勝負に決着がつきますが、物語はさらに続いていました。

『クリード 炎の宿敵』あらすじ

『クリード 炎の宿敵』© 2018 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. and Warner Bros. Entertainment Inc.
All Rights Reserved.

ロッキーとの二人三脚でヘビー級ボクサーとし成功を収めていくアドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)はついに世界チャンピオンの座につきます。

そんな彼の前に因縁深いイワン・ドラコが息子のヴィクターを伴って現れます。ヴィクターは粗削りではあるものの、パワーと才能を持ったボクサーでした。

父親たちの因縁と、自分たちの未来を賭けて、再びクリードとドラコがリングに上がります。

どちらのファンの気持ちにも応えた脚本

本作の脚本は、ロッキーを演じるシルベスター・スタローンが担当しています。『ロッキー』の1作目を筆頭にスタローンは脚本家・監督としても実績豊富です。そして『クリード 炎の宿敵』では「ロッキー」シリーズと「クリード」双方のファンの気持ちに応えた作りとなっています。

あくまでも『クリード チャンプを継ぐ男』の続編である本作は、アドニスの成長の物語です。本作では彼は結婚をし、更に父親にもなります。アドニスは、自分が会うことのできなかった“父親”という存在になるのですが、将来生まれる子どもに、妻が患う聴覚障害が遺伝するのではないと気を揉む日々。

公私に渡り新たな障害に立ち向かうアドニスの姿は、演じるマイケル・B・ジョーダンの俳優としての成長も加味されて、重厚なドラマの担い手となります。

一方、「ロッキー」シリーズのファンとしては今回の相手が“最強の敵”イワン・ドラコの息子という燃える設定になっています。約35年の時を経てドルフ・ラングレンが同役で登場するのはもちろん、かつてドラコのマネージャーを演じたブリジット・ニールセンも再登場します。

彼女はスタローンの元妻というつながりもあって、よく出演を成り立たせたなと思わずにはいられません。また、ロッキーとの戦いでの敗北によってドラコが没落しており、彼の息子ヴィクターがハングリー精神の持ち主という逆転の発想も物語に深みを与えています。

『クリード 炎の宿敵』は「ロッキー」、「クリード」双方のシリーズのファンを納得させる満足度の高い仕上がりとなっています。もちろん、あのテーマも流れますよ!

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About the author

OsoneRampo

村松健太郎 脳梗塞と付き合いも10年目を越えた映画文筆家。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在作品の配給・宣伝、イベント運営に携わる一方で各種記事を執筆。